【出てくる場所】
・タウポベイ
・シップレックベイ
・ケープ・レインガ
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タウポベイから波を求めて島の真反対へ
お友達さんと別れてから、更に旅を進めるべく北上する事に。
進路は進めつつ、途中にサーフポイントがあれば立ち寄る方向で車を走らせる事にしました。
サーフキャンプでの反省から、ダックダイブをしっかり練習するべきだと思っていたので、波が小さめでもパワーのあるポイントがあれば理想なんだけど…。
この日は、お友達さんに教えてもらったタウポベイに行くことにしました。
駐車場の場所を教えてもらっていたので、とりあえずそこへ行ってみるものの、駐車場は車でいっぱいです。
サーファーもちらほら見え、練習もできそうです。
せっかく教えてもらった場所なので、今晩は近くのホリデーパークに泊まってここで過ごしてみようと思い、ホリデーパークへ予約をしに行き、そのまま車も停めてビーチへ引き返しました。
ところが、なんとビックリ。
先ほどまでは晴れ間もあったのに、ビーチに霧が立ち込めています。
こんな短時間で急に霧がかるものなのかと動揺しますが、すぐに晴れるかもしれないと思い、流木に腰かけて待つことに。
さすがに初めての場所で、霧が出ていたら危険で入水できません。
しかし、待つごとに霧は晴れるばかりか濃くなっていくようです。
ビーチを散歩している人がまだ少しいるようで、遠くから人影と話し声が聞こえて来ても、姿は見えません。
しばらく待っても晴れないので、「今日はこういう日なんだな」とホリデーパークへ帰る事にしました。
サーフキャンプの数日間で溜まった洗濯物を片づけたり、キッチンを借りて軽く料理を済ませたりして過ごします。
暗くなる前に海の状況が良くならなかったので、この日はこれからの旅の計画を立てながらゆっくり過ごしました。
次の日は早朝のロータイドから波チェックです。
霧も無く、少し入ってみましたがほとんど波はありません。
ウネリが弱い東側でも風次第では整うかもしれないと思っていましたが、やはりうまくは当たりませんね。
ダックダイブしても引っこ抜かれるようなあの水のパワーはありません…。
バックサイドで一本小波に乗って上がる事にしました。
波の良い場所に移動したかったので風とウネリの情報を調べようとするも、おや、電波が微弱…。
サイトを全然読み込めません…。
ニュージーランドの北端の方面は圏外になると言われていた2degreesのSIMからVodafoneに変えたのですが、それでも電波が入りにくいような場所のようです。
この先も都市部からはどんどん遠ざかるので、山と海ばかりになる一方。
しっかりwi-fiのある場所で仕切りなおしてから動くべきかと思っていると、サーフキャンプに誘ってくれたおじさんからテキストが。
切れ切れになる電波をすり抜けて届いたようです。
今の状況を伝えると色々教えてくれて、結果的には島の反対側のシップレックベイに行くことにしました。
ニュージーランド縦断の旅がメインであれば、陸の中央をまたいで東と西を行き来するなんてコスパの悪いルートはとりませんが、この旅では「人」とか「運」を信じて動くのも楽しいかもしれないと感じていたので、1時間と少しの道のりを島の反対へ向けて走りだしました。
大幅に計画は外れていないし、サーフィンできるならすべてヨシ、なのです。
シップレックベイとナインティ・マイルビーチ。サーファーは申し合せずとも出会うもの…。
シップレックベイは何人か子供サーファーが入っていました。
タイドが低すぎたのか、ほぼクローズアウト。
タイドから考える限りでは、もう少し早く着いたら少し良かったかもしれない!
とりあえず海の感じを知るために、近くにいたサーファーさんに危険な場所が無いかなど少しポイント情報を頂いて、インサイドの小さめで少し遊んで上がりました。
早朝の1ラウンドからの1時間+のドライブ、そしてもう1ラウンド。
さすがに疲れてこの日はYHAに泊まる事にします。
ここでも、おじさんが「知り合いの家があるからそこに泊めてもらえばいいよ!」と言ってくれたのですが、さすがに甘えすぎも良くないのでお断りします。
おじさんはサーフィンの旅にとても興味を持ってくれて、サーフスポットを教えてくれたり、友達の所に泊めてくれたり、と自分が旅のマネージメントをする事を楽しいと感じてくれているようです。
こちらとしても、とても助かるし面白い旅になるのだけれども、周辺の友達からすれば急に「今夜知り合い泊めてあげて!」はやはり多少は困惑するでしょうし…
日本人とは文化が違うと言ってもある程度は困るはず(笑)
どこかで、このままおじさんに甘えっぱなしになってしまいそうな不安もあったのと、確率はだいぶ低くても、万が一おじさんが悪い人で、という事もありますし…。
リスクとチャンスは表裏一体ですが、今回は敢えてのYHA泊を選びました。
久しぶりに丸1日一人で過ごしている気がするなぁ、と考えながらホリデーパーク内を歩いていると、
洗濯機の所に見た事のある人がいます。
さきほど、シップレックベイでサーフポイントの事を教えてくれた人でした。
どうやらキャンピングカーで休暇を楽しみながら各地を回っているようですが、キャンピングカーの冷蔵庫が壊れてホリデーパークで自炊しているそうな。
名前はトムさん。
この人も旅の人だったのか!まさか再会するとは…。
トムさんには、翌日に訪れるナインティ・マイルビーチでもまた再開する事になります(笑)
1人になったと思うとすぐ誰かに出会う。
今回の旅は、大なり小なり本当に人との「縁」がつながる旅なのかもしれません…。
翌朝、泊まっているYHAの近くにナインティ・マイルビーチという、とても有名なビーチがあるので行ってみる事に。
サーフポイントもあるようだったのですが、パッと見た感じサーファーはおらず。
「ナインティマイル」=90マイルというだけあって、ただただずっと、どこまでもビーチが続いています。
実際には88マイルのようなので、ざっくり141キロちょっとでしょうか。
東京から茨城とか、そういう距離感ですね…。
しばらく歩いていくと、何名かサーファーが見えました。
風が入っていて面はザワついていますが、一応できるという感じです。
今日はこの後天気が悪くなる予報で、風はもっと入るでしょう。
今日は見学だけになるかな、と思っているとビーチからサーファーを眺めている人がおり、まさかの昨日のトムさんでした。
シップレックからYHAから本当によく会うねー!と話しながら、少し一緒にサーフィン見学します。
まぁよく考えれば、サーファーは基本波のある所に集まるものなので、こういうケースも無いわけでは無い。
変な話、同じコンディションの波を求める人だったら、ある程度の距離圏内にいれば申し合わせなくても海で出会えると信じています(笑)
生活の中でのサーフィンの優先度と求めるコンディション、更にはスタンスまで同じだと結構な確率で同じ時に同じようなサーフポイントにいるはずです。
トムさんの旅は北端の方から下って来て今日は南下していくそうで、私とは逆方向へ進みます。
これから北上すると言うと、この先にあるケープ・レインガという岬が、晴れると見晴らしがとても良いという話を教えてくれました。
オークランドで出会ったおばさまも、その岬はイチオシのスポットだと言っていたので観光コースには入っています。
霧が多いとも聞いていて、これからの天気は数日間あまり良くない予報なのでそこは少し心配です。
トムさんと、お互いいい波に恵まれますようにと言って別れました。
ナインティマイルビーチには4WDのバスでビーチの上を走るアクティビティがあるようで、それと思しきバスが到着していました。
自分は4WⅮ車では無かったけど、この長いビーチを運転できたら気持ちよさそう!!
最北端の岬ケープ・レインガで起きた奇跡
旅はここからいよいよ最北端を目指します。
wi-fiや安いスーパーなど、色々揃えるなら最後であろう町「カイタイア」で買い出しを済ませ、電波が無くなりそうなので、最後に時々連絡を取っている家族にも一応メールを入れておきます。
天気はやはり雨か曇りか。
来週になると天気が回復するようだけれども、ここで1週間旅をストップすると先のスケジュールが大きくズレてしまう…。
北端を回るならやはり今週がベスト。
できれば晴天のケープ・レインガの景色を臨みたいけれども、無理ならせめて曇りでとどまってもらいたい。
日ごろからわりと「雨予報でも運よく降られないタイプ」の人間なので、今回も自分の運を信じて(?)出発!
ケープ・レインガへはただただ一本道をずー--っと行く。
このエリアや、道路の名前が「Far North」となっているけど、「遥か、遠い」という意味でFarとつけているならまさにそんな雰囲気がピッタリでした。
途中で休憩して、ドライブは1時間半ほど。
これと同じ距離の海岸線がさきほどのナインティ・マイルビーチの延長にあるのだなと思うと、やはりすさまじい距離である…。
対向車もたまに通る程度で、車はほぼいません。
有名な観光地なので人はいるのでしょうが、間隔が開きすぎて見えないのでしょうか…。
天気は霧雨が降ったりやんだり。たまに晴れ間がのぞく中,走行を続けます。
もう少しでケープ・レインガだろうという所で突然霧が発生。
すぐ下には海があるようですが、真っ白で何も見えません。
ガードレールも無く、カーブを知らせる標識がいくつか立っています。
崖下に落ちたら大変な事になります。
少し道の脇の待避所で待って、霧が薄くなってきたので注意しながら車を走らせると、なんとケープ・レインガの駐車場は目の前でした。
車から降りて、とりあえず霧の中で景色を写真におさめます。
霧は濃くなったり薄くなったりを繰り返し、やはりスッキリ晴れた景色は今日は無理かな、と思っていたその瞬間。
霧がスーッとひいていきます。
おお!霧が引いていく!!
これはもしかしてラッキーな展開かも!?
霧が無くなって表れたのは、想像以上の絶景でした!
霧の中の運転は恐かったけど、おかげで霧の中での幻想的な風景と、それが晴れていく所からの絶景が見られて感動が何倍にもなりました。
まさに「奇跡的」という表現がピッタリなほどの感動。
「ニュージーランドの大自然に魅せられる」とはこの事か、と感じた瞬間でした。
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