【出てくる場所】
・オークランド
オークランド中心地周辺
YHAで謎のアジア人に出会う
車を探すための情報収集の拠点で、YHAにまずは1週間泊まる事にしました。
この1週間で欲しい車を探して、購入、保険加入までしたいところ。
少し早めに起きてコーヒーを飲みながらスマホで車の情報を集めます。
ニュージーランドは当時の日本よりも個人間での物の売買が気軽に行われていて、車も例外ではありません。
日本では自分の車を持ったことはないのですが、以前ハワイに住んだ時も中古車を購入して乗っていました。
今回も予算の関係で中古車の予定です。
車を手に入れるまでの流れをざっくり説明すると
- ネットで探す
- オーナーに連絡を取る
- 実際に乗ってみて良ければその場で代金と引き換え
- 必要に応じて整備工場で点検・整備
- 日本でいうJAFのようなロードサービス、保険に入る
という流れです。
車の状態なんて普段乗っていない身からしたら全く分かりません。
ハワイで車を購入した時もそこがネックで結構時間がかかってしまったのですが、あの時は幸いなことに知人が整備の知識を持っていたので、一緒に来てもらって試乗もお願いしたのでした。
その車も、試乗時点で見えていなかった欠点が後から出てきて
修理費が日本円換算で10万円近く上乗せ
になったので、結局安物買いの銭失いのような事態になったんですが…。
車の状態に関わらず値段設定が気軽に出来て、売買が自己責任なのはハワイもニュージーランドも同じなようです。
定期的な点検(日本の車検)もあるのですが、本当に簡単な項目しか確認しないので
一見ちゃんと走るようには見えるのですが、細かい確認が必要なのです。
過去の失敗を繰り返したくなかったので、色々調べてはいたのですが、30万という価格帯ではやはり選べないのが現実ではありました。
ニュージーランド全体が取引対象になる「Trade Me」のサイトには本当にたくさん情報があって決められないし、日本人向けの「nz daisuki」にも少しあったけど、やはり予算オーバー。
オーナーさんも住んでいる所が方々なので、試乗の為にあっちこっちバスで行くのも大変だし、比較が難しいと悩んでいたところで、誰かが向かいの席に座ってきました。
昨日、同じ部屋になった40~50代のアジア人のおばさまでした。
「何してるの?朝ごはんまだだったら食べない?」
とスライスしたキウイをお皿に盛って持ってきてくれました。
昨晩特に何か話したわけでは無かったのでビックリしましたが、海外でたまに見る超絶フレンドリーな人かな、と思いました。
ましてやここはバックパッカーが集まるユースホステル。
お国柄やバックパッカーの特性などから、実はこういう
「突撃型」の出会い方は結構多いのです。
今でこそ理解できるけど、最初はビックリしました。
初対面の人を
信用するのか距離を取るべきなのかの判断ってすごく絶妙
です。
おそらく危ない人ではないけど、食べ物をもらうにはまだ信用が足りないと思ったので、キウイはお断りして車を探している事や、お互いニュージーランドに何しに来たのかをお話することに。
話していくと、おばさまはもう1年ほどニュージーランドを仲間と旅してきた後だといいます。
仲間と一緒に車中泊もしたし
エクスチェンジという宿に無料で泊まらせてもらう代わりに掃除などの仕事をする方法で旅を続けてきたのだとか。
仲間は自国へ帰ったけど、自分は継続してニュージーランドに残りたかったので別れたばかりなのだそう。
おばさまはさすがに1年も旅しているだけあって、色んな所の話を聞かせてくれ、私も情報がたくさん得られて、旅を始めるにあたってとても参考になりました。
おばさまとは結果的に目的地が逆方向だったので、オークランドを最後にそのあと会う事はありませんでしたが
私を見かけると、よくごはんを作ってきてくれたり、出かける時には一緒について来たりして、後から考えると
旅に出る誰かに便乗したかった
のかもしれません…(笑)
車を探しにエラズリーのカーフェアへ
★2022年2月17日、記事内容を訂正しました。
カーフェアの開催場所が「エラズリー」となっていましたが、実際はオークランド中心地から近いこちらのようです。
万が一、記事内容を参考にされていた方がいらっしゃったら申し訳ございません。
以下の記事はエラズリーを目指して行動しているため、不可解な点があるかもしれませんがご了承くださいませ。
宿の近場で何件か中古車のお店を見て回り、おばさまとも一緒に過ごすようになって数日経ったころ、たくさんの中古車の個人売買が1か所で行われている「カーフェア」というのがバスで少し行ったところで行われているのを知りました。
たしか、毎週日曜日などで開催されていた気がします。
とりあえずどんなものか見に行ってみることにしました。
おばさまも同行で(笑)
結構朝早い時間のバスで出て、途中1回乗り継いで10時頃には現地にいた気がします。
ズラーっと車が並んで、それぞれの車のオーナーさんが所々でアピールしたり交渉したりしています。
車中泊するからフラットにして寝られる仕様か、年式や走行距離を見ながら検討していきます。
そんな中、少し予算オーバーだけど大きさがちょうど良さそうな1台を見つけます。
走行距離も年式も予想よりも悪くありません。中もきれいにしてあります。
少し予算オーバーであることを伝えると、若干値段を下げることは可能だとのこと。
試しに試乗させてもらうと運転もしやすく、これはいいかもしれないと思いました。
買い物も出会いだし、今回を逃したら次の開催までまた待つことに…。
もうこれに決めちゃおうかな!!
支払いは小切手…ではなくその場で全額現金!?
双方条件が整ったので、このまま購入する事にしました。
高額な物は現地の銀行口座があれば小切手で支払いができることを知っていたので、事前に作ってあった口座の小切手で支払いすると申し出ると、オーナーさんはビックリ。
現金で全額この場で払ってもらわないと困る
と。
後から調べると、やはり現金以外で支払う場合不渡りがある場合もあるようなので
現金での取引が常識
なのだそう。
30万円持ち歩くのは恐いのでネットバンキングも提案しましたが、やはり現金でとのこと。
たしかに、赤の他人に口座番号が知られてしまうことになるので危険ですよね。
結果、ショッピングモールへ行って足りない現金を引き出してその場で全額お支払いする事ができました。
手付け金として何割かは先に払うかもしれないと考えて少しは持っていたので、足りない分をおろしましたが
万が一全額おろすことになっていた場合、ATMの1日の上限金額にひっかかってしまうような事があったかもしれません。
調べが足りずにとても反省した出来事でした。
高額でも個人売買は現金取引が基本…。
愛車で初めてのドライブへ
アクシデントもあったけどなんとか車で宿へ帰還。
保険加入の手続きを済ませて、とりあえず祝杯だ、という事で久しぶりに外食。
外食といってもフードコートでしたが(笑)
基本的には毎日スーパーの食材で自炊の節約生活だったので、近くのフードコートで何か食べることがもう贅沢。
おばさまと共に、お酒も飲んで軽くお祝いです。
保険の書類を提出し、手続きが完了して返信されてくる物を待ってから周遊の旅へ出発するので、また数日間あきます。
その間に車を車中泊仕様にセッティングしたりと、まだ作業はありますが、色々情報提供してくれたおばさまへ感謝の意も込めて、明日はどこかへドライブしに行くことにしました。
おばさまはいくつか行きたい場所があってナビするというので、お任せして車を走らせると、郊外にある丘のようなところへ着きました。
オークランドの町を見下ろすと斜面に羊がいて、やっとニュージーランドっぽさに出会えた気がしました。
丘の後は岩がゴツゴツした海岸へ。
おばさまは貝を拾って
「これは煮ると食べられるの。でも南島の方が海がきれいで安全」
と言っていました。
海岸で、ランチ用に作ってきたチャーハンとフルーツを食べて帰宅。
オークランドは日本と同じで左側通行とはいえ、やはり都会なので運転はすごく緊張しました。
ラウンドアバウトもあって
「学生時代にオーストラリアで見たあれだ!」
となり、なんだか懐かしさも。
なかなかの交通量の中での二重構造のラウンドアバウトだったので
かなり焦って何周かループ
してしまったけど、なんとか脱出成功。
急な坂に車を駐車して、これまたなんとか宿に帰還。
やはり都会は苦手…。
早く大自然で溢れかえるニュージーランドに行きたい…。
キャンプ道具のプレゼント
翌朝、車中泊に使えそうな物を探しにリサイクルショップへ。
向こうでは「セカンドハンドショップ」と呼ばれていて、この
セカンドハンドをフル活用するのよ!
というのもおばさまの教えです。
中には若干やりすぎな物もあったけど、節約の術に長けた人で本当に色んなことを教えて頂いた…。
ショップで寝袋やカセットコンロ、食器などを手ごろな値段でゲットし、次は調理器具。
鍋やフライパンを探し始めると
「基本の調理器具はいくつかあげるから買わなくていいわよ」
とおばさま。
「調理器具を持って船に乗ると荷物になるし、使って」
と調味料と共に譲ってくださるというのです。
お金はいいと言ってくれたのですが、お気持ちだけでもと、格安で買い取らせて頂きました。
私はこのまま北島を巡り、おばさまはちょうどいい仕事がありそうだと南島へ行くことに決めたので、この先は別行動。
色んな事があって結構長く感じたけれども、後から見返すとたったの1週間の間の出来事。
その間に本当に色んな事を教えてくださいました。
YHAを拠点に選んでいなければ、そしておばさまが仲間と離れたこの時期でなければ出会えなかった人だなと思うと、運命的な巡り合わせを感じます。
おばさまは数日後、南島で楽しそうにブルーベリーのピッキングをしている写真を送ってきました。
今もどこかを旅しながら元気にしているといいなぁ。
コメント